ここでは、テスター(回路計)の使い方/電圧,電流,抵抗,導通の測定方法について紹介します。

 

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テスターの各部の名称と機能

 

気に入ったテスターがあったので購入し、いざ使おうにもテスターの各部の名称や機能を把握していなければ、正しく使用することはできません。

なので、まずはテスターの各部の名称と機能を知っておきましょう。

 

左側:3244-60 右側:3030-10

めがね

*「日置電機のカードハイテスタ 3244-60」と「日置電機のハイテスタ 3030-10」の計器を使って紹介していきます。

 

名称

 

●デジタルテスター

出典:3244-60 取扱説明書

 

●アナログテスター

出典:3030-10 取扱説明書

 

●測定レンジとは

 

測定レンジとは、主に交流電圧(~V)、直流電圧(ー⋯V)直流電流(ー⋯A)、抵抗(Ω)、導通などの測定項目を指します。

 

アナログ式なら、手動で測定物に合うレンジ(600V、300V、120V、30V、12Vなど)を細かく選択する必要があります(デジタル式にもあるものもあります)。

測定レンジは、ロータリースイッチで切り替えることができます。

 

●ロータリースイッチ(フィクションスイッチ)とは

 

ロータリースイッチ(フィクションスイッチ)とは、上記のようなスイッチを指します。

このスイッチを切り替えることで、測定レンジの切り替えを行います。

 

デジタル式では、小型化されたものの多くはダイヤル式になっていて、アナログ式では、ほとんどのタイプでつまみがついた形になっているのが特徴です。

 

●テスト棒とは

 

テスト棒とは、赤(+)と黒(-)の棒を指します。

リード棒、テストリードなどともよく呼ばれます。

 

テスト棒の電線部分は、リード線。

先端部分(金属部)は、テストピンと言います。

測定時は、テスト棒の絶縁部分(電気を通さない)を持つことで安全に測定が行えます。

 

●キャップとは

 

キャップは、測定機器によりますが付いているものと付いていないものがあります。

キャップをテストピンに取り付けることで、短絡(ショート)などを防止する効果がありより安全に測定することが可能になります。

取扱説明書において、「キャップをつけるように」と指示されている場合には、その指示に従いキャップを付けましょう。

 

●短絡(ショート)とは

 

テスターを使用するにあたって、導通測定を行う際にはよく「短絡(ショート)させて・・・」という文言が出てきます。

ですが、この場合の短絡(ショート)の意味としては、テスト棒の赤(+)と黒(-)のテストピン(先端部分)同士を接触させることになります。

 

●ヒューズとは

 

ヒューズとは、小さなガラス管状のもので、テスター内部に安全対策のために入れられているものもあります。

器機に大きな電流が流れた時に、ヒューズが切れることで器機を保護することができます。

なので、ヒューズが切れた場合には取り替える必要があります。

 

機能

 

デジタルテスターには、便利な機能を備えているタイプがあるのでその機能についても紹介します。

めがね
*この機能は日置電機のカードハイテスタ 3244-60に装備されている機能です。

 

●オートレンジとは

オートレンジ機能は、直流電圧、交流電圧、抵抗などの測定時において細かいレンジ操作を行わなくても自動で最適なレンジに合わせてくれる機能です。

 

●オートパワーセーブ(オートパワーオフ)とは

オートパワーセーブ機能とは、最終操作した時点から30分後(メーカーごとに時間は違う)に自動で電源が落ちる機能(省電力機能)です。

ただしこれは完全に電源が落ちた状態ではないので、使用後はロータリースイッチをOFFにするようにしましょう。

 

メーカーによっては、「オートパワーオフ」と呼んだりもします。

 

●オーバーフローとは

オーバーフロー機能とは、入力した値が測定範囲をオーバーした場合に画面に表示される機能で、画面には「OF」と表示されます。

これを知らないと「なんだこれっ!!」て、なります。

 

測定方法

 

では、テスターを使った基本的な測定方法について紹介します。

とその前に、測定における注意点とアナログテスターの零位調整の仕方を紹介します。

 

測定における注意点!!

テスターは、測定範囲に応じて使用しなければなりません。

ロータリースイッチのレンジ位置が間違いでないことを再度確認して下さい。

テストリードの先端部分で電圧のかかっているラインを短絡させてはいけません。

ロータリースイッチを切り替える時は、テストリードを測定物から外します。

抵抗、導通レンジに電圧を入力してはいけません。

本体やテストリードに損傷が見られる場合には、使用するのはやめましょう。

テスターは使い終わったら、ロータリースイッチをOFFにします。

デジタルテスターの中にはオートパワーセーブ機能といって、自動的に画面表示を消す機能がありますが、これで完全に電源が切れたわけではないので必ず電源をOFFにしましょう。

 

アナログテスターの零位調整

 

測定をする前に、アナログテスターでは確認する点が一つあります。

それはメータの指針が、0にピッタリと合っているかどうかです。

ピッタリと0の目盛りに指針が来ていない場合には、「零位調整」を行う必要があります。

 

 

零位調整とは、テスターをOFFの状態にしたうえで、零位調整器のネジをゆっくりと回し、指針を0に合わせます。

注意点としては、零位調整器のネジは回し過ぎると壊れる恐れがあるので注意しましょう。

調整が終われば測定作業を始めます。

 

電圧測定

 

電圧測定を行います。

電圧(V)には、直流電圧(ー⋯V)と交流電圧(~V)がありますので、間違わないようにしましょう。

 

直流電圧=DCV

直流電圧は、「DCV」と表記されます。

電池や車のバッテリー、電子回路の電圧などがDCVです。

 

 

デジタル式なら、「―⋯V」「DCV―⋯」のレンジを選びます。

 

 

アナログ式なら、「―⋯V」のレンジを選び、乾電池(1.5V)なら3Vのレンジを選びます。

めがね
*測定物のおおよその測定値がわからない場合には、レンジの一番高い値(600V)を選び、徐々に落としていきます。

 

 

レンジを選び終えたら、テストリードの極性(+-)を測定物の極性と合わせ、金属部に接続します。

すると、画面に測定値が表示されます。

これで直流電圧の測定は完了です。

 

ちなみにですが、デジタル式の場合には、テストリードの極性(+-)を間違えても、-(マイナス)の表示がされるだけですので安心して測定することができます。

しかし、これがアナログテスターだと指針が逆に振れるので、故障の原因になりやすいのです。

注意しましょう。

 

交流電圧=ACV

交流電圧は、「ACV」と表記されます。

自宅のコンセント(100V)などが交流電圧(ACV)となります。

 

 

デジタル式なら、「~V」「ACV~」のレンジを選びます。

 

 

アナログ式なら、「~V」のレンジを選び、自宅のコンセント(100V)なら300Vのレンジを選びます。

めがね
*測定物のおおよその測定値がわからない場合には、レンジの一番高い値(600V)を選び、徐々に落としていきます。

 

 

レンジを選び終えたら、テストリードを測定物の金属部に接続します。

すると、画面に測定値が表示されます。

これで交流電圧の測定は完了です。

 

ちなみに交流電圧の場合には、テストリードの極性(+-)を測定物と合わせる必要はないのです。

めがね
*コンセントの電圧やコンセントの極性について、もっと詳しい測定方法が知りたい方はこちら➡(テスターでコンセントの電圧と極性を測定する方法

 

電流測定

 

電流測定では、直流電流(-⋯A)と交流電流(~A)の測定を行います。

 

 

テスターのみで電流(A)を測定する場合には、測定回路に対して直列接続を行います。

つまりどういうことかというと、回路を切り開き、テスターに電気を流す必要があるのです。

 

 

一方でクランプ付きのテスターを使用することで、回路を切断しないで安全に測定することも可能です。

めがね
*大電流の測定はクランプメーターや別売りのプローブ(テスター用)を使用することで、安全に測定することができるので、それらを使用しましょう。

 

 

 

 

直流電流、交流電流の測定時における注意点!!

直流電流、交流電流は、必ず負荷を通して直列接続で測定すること。

直流電流は極性(+-)を測定物と合わせること。

測定する際には、感電事故等を防止するためにも測定範囲内での測定だけを行います。

 

直流電流=DCA

直流電流は、「DCA」と表記されます。

レンジは「―⋯A」を選択します。

直流電流はアナログ式(日置の3030-10)なら、下記のように測定します。

 

出典:3030-10 取扱説明書

 

ちなみにですが、日置の3030-10では、250V以上の電位での電流測定は禁止とされています。

 

交流電流=ACA

交流電流は、「ACA」と表記されます。

レンジは「~A」を選択します。

アナログ式なら、おおよその電流値を計算してから測定物に合う測定レンジを選択します。

計算方法としては、上記の通りです。

 

 

交流電流も直流電流同様に、直列接続で測定します。

極性(+-)は交流なので、気にしなくて大丈夫です。

 

 

基本的に現場などでは、電流は、テスターのみで測定したりすることはあまりありません。

今は、電流=クランプメーターやそうしたクランプできるテスターを使用しますし、そのほうが安全に測定することができるからです。

 

抵抗値の測定

 

抵抗値の測定=Ω

抵抗値の測定は、オームレンジ「Ω」で行います。

Ωは、回路に流れる電流を防ごうとするもの、と思えばわかりやすいです。

 

 

デジタル式は「Ω」のレンジに合わせます。

 

 

アナログ式は、「Ω」のレンジを選択後、測定物のおおよその抵抗値の値にレンジを合わせます。

めがね
*測定物のおおよその測定値がわからない場合には、レンジの一番高い値(×1k)を選び、徐々に落としていきます。

 

抵抗ですので、Ωレンジでさえあれば測定レンジを誤っても、テスターが壊れることはありません。

レンジを選び終えたら、アナログ式は「*零オーム調整」を行います。

 

終了後は、テストリードを測定物の金属部に接続します。

すると、画面に測定値が表示されます。

これで抵抗値の測定は完了です。

 

 

*零オーム調整

 

零オーム調整とは、抵抗値の測定時に行うもので、レンジをΩレンジに合わせたのちテストリードの先端部分を短絡させ、指針が0Ωを指すかどうかを見ます。

 

 

指針が0Ωを指さない場合には、零オーム調整用のツマミで0Ωになるように調整します。

ツマミを左に回し、右に回して微調整します。

 

あと、指針は抵抗レンジを切り替えることで微妙に変化しますので、抵抗レンジを切り替えるたびに「零オーム調整」が必要になってきます。

頻繁に使うレンジだけでも調整しておけば、抵抗値の測定をするたびに調整することもないでしょう。

ちなみにですが、この零オーム調整、デジタル式では抵抗値が0.0Ω、あるいはオーバー表示されればOKです。

 

また、テスターの指針がずれるのは電池の消耗が原因ですので、零オーム調整してもまたずれることもありますし、電池切れの場合にはいくら調整しても0Ωを指さない、といったことにもなります。

その場合には、電池の交換をしましょう。

 

導通チェック

 

導通チェック

導通チェックは、上記の画像マークのレンジで行います。

導通は、電線の断線チェック、ヒューズチェックなどに有効です。

 

 

デジタル式は、レンジを導通に合わせます。

 

 

アナログ式では、導通レンジがないタイプはレンジを抵抗(×1)に合わせます。

 

 

テストリードを測定物の金属部に接続します(極性は気にしなくて大丈夫です)。

すると、画面に測定値が表示され、デジタル式では、「ピッ、ピッ―――」とブザーが鳴ります。

アナログ式では、右側に指針が振れます(0Ωを指す)。

これで導通の測定は完了となります。

 

 

ちなみに、音が鳴らない場合(3244-60)や指針が不安定だったり、振れない場合には、「断線」となりますが、上記のようにテスト棒の差す位置を逆にしていれば、当然ですが導通はでないので指針は振れません。

注意しましょう。

 

バッテリテスト(BATT 1.5V)

 

バッテリテストは、乾電池の残量を測るときに便利なレンジです。

MAX1.8Vの目盛りで、通常の直流電圧のレンジ(DC3V)よりも読みやすくなっています。

 

また、DC3Vの測定レンジとの違いとしては、バッテリテストのレンジだと電池を実使用状態で測定することができます。

バッテリテストの場合には、150mA(負荷抵抗10Ω)の電流を流して測定するので実使用状態での測定が可能なのです。

つまり、無負荷電圧値(DC3V)よりも、実使用状態(バッテリテスト)での測定だとより低い値が出るのです。

 

 

測定方法としては、BATT 1.5Vの測定レンジに合わせます。

 

 

測定物にテストリードの極性(+-)を合わせて、接続します。

すると、画面に測定値が表示されます。

これでバッテリーテスト(BATT 1.5V)の測定は完了です。

 

LEDチェック(点灯試験)

 

LEDチェックのレンジがある計器では、LEDの点灯試験が行えます。

 

 

測定方法としては、レンジを「Ω」の×10(LED)に合わせます。

テストリードをLEDに接続します。

 

LEDが点灯しない場合には、極性(+-)を入れ替えることで点灯することがあります。

これはLEDに極性(+-)があるからです。

 

 

Ω計器の場合には、カソード側に赤(+)、アノード側に黒(-)を接続します。

 

電池とヒューズの交換方法

 

電池

 

長い間使用せずにテスターを放置していたりすると、いざ使おうとしたときには使えずに困るものです。

この場合には、電池を交換すれば直ることが多いです。

 

出典:3244-60 取扱説明書

 

電池の交換方法としては、上記の通りに行います。

テストリードを測定物から外すことと、電池の極性には気をつけて電池の交換を行います。

 

交換が終わったら、ロータリースイッチを抵抗レンジに合わせて、テストリードを短絡させて見てください。

この時、指針が0Ωを指せばOKです(アナログテスターの場合)。

 

あと、長い間テスターを使用しない時には、電池をあらかじめ抜いておくことも必要です。

そうすることで、電池の消耗を防げますし、液漏れによる腐食も防ぐことができます。

 

電池の交換時の注意点!!

テストリードは測定物から外すこと。

本体の電源はOFFにする。

電池の交換の際には、極性(+と-)を間違えないようにする。

 

ヒューズ

 

テスターのレンジを色々と切り替えても、テスターが全く反応しない、といったことがたまにあります。

こういったときは、ほとんどの場合で器機の保護用ヒューズが飛んでいる状態にあると思われます。

 

出典:3030-10 取扱説明書

 

ヒューズの交換方法としては、ケースを外して、新しいヒューズと取り替えます。

日置電機のハイテスタ 3030-10の場合には、スペアヒューズが用意されているのでそれに取り替えます。

この時、ヒューズの向きはどちらでも構いません。

交換後は、ケースを閉めます。

これでヒューズの交換は完了です。

 

交換後に古いヒューズを見てみるとわかるのですが、たぶんヒューズの中の金属製の電線が切れていると思います。

この電線が切れることで、テスターを保護しているのです。

それと、取替え後は、また新しいスペアヒューズを用意しておくようにします。

 

ちなみにですが、ヒューズを取り替えても全くテスターが反応しない場合には、テストリードが断線していることもありますので、その際にはテストリードを取り替える必要があります。

 

ヒューズの交換時の注意点!!

テストリードは測定物から外すこと。

本体の電源はOFFにする。

ヒューズは必ず指定されたものに取り換えること。

 

テスター用アクセサリー

 

テスターを使用する際には、別途購入すると測定作業が便利になるアイテムがあるので紹介します。

 

ワニグチクリップ

ワニグチクリップは測定の際に、テストリードを両手で固定する必要がなくなるのでとても便利です。

ミノムシクリップのコード付きタイプもあるので、用途に応じて使用すると便利です。

 

 

 

 


 

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